3. 動詞


3-1. 素動詞

母音一字で表され,全ての動詞の素となるような動詞があり,それらを素動詞と呼ぶ。素動詞は,次のようなものである:

u : 感覚 「SはOに対してAであると感じた/思った」
ó : 記憶 「SはOがAであるような記憶/知識がある」
é : 思考 「SはOをAであると考える/推論する」
a : 開始意志 「SはOをAであるようにしだしたい/し始めたい」
e : 進行意志 「SはOをAであるようにしていきたい」
i : 存在意志 「SはOをAであるようにしたい」
á : 継続意志 「SはOを依然としてAであるようにし続けたい」
o : 完了意志 「SはOを(完全に)Aであるようにしきりたい/してしまいたい」
ú : 表現意志 「SはOということをAとして表現したい」
ø : 受身意志 「SはOによってAであるようにされたい」

動詞のおおよその意味にあたる「」内のアルファベットS, A, Oはそれぞれ対応する格をもった名詞がそこに代入されることを表している。例えば,動詞 i を用いて,S格に ha「彼は」,A格に li gapuþdilosi「学校」,O格に þoþi「そこ」を並べると,次のような文ができる:
i ha li gapuþdilosi þoþi:
「彼はそこを学校にしたい。」

また,それぞれの名詞の項を省略することもでき,その場合はS格なら ma「私は」,A格,及びO格なら見合ったゼロ語幹名詞 a, i, e, ø が入っていると想定される。
例: i: 「私は存在したい。」

語順についてであるが,基本的には(動詞 - S格名詞 - A格名詞 - O格名詞 - 独立分詞)という語順に従う。しかし,冠詞で格は明示されているので,便宜によって語順を入れ替えても良い。

3-2. 複合動詞

任意の素動詞を v ,格表示された名詞や代名詞の群をその格から S, A, O, P と書く。以下の文
v S A P O:
について,Aの語幹を[stemA],PのA格をA Pと書けるとすると,
v-[stemA]e S AP O:
と書き直すことができる。このとき,素動詞にコト名詞が繋がった複合的な動詞 v-[stemA]e を複合動詞と呼ぶ。

例) e ha þi zéli hud þo dóli mud:
  ⇒ e-zéle ha (hi) þo dóli mud:
  「彼は私の椅子を壊そうとしている(彼は私の椅子を彼によって破壊されるモノにしようという意志がある)。」

  é þi lámi mud þo LISLÚ:
  ⇒ é-láme þo LISLÚ:
  「私の名前はリスルゥ。」

3-3. 自然方向意志

ある意志について,それとは逆の志向の意志を表現するときは,素動詞に n を接頭する。

例) ce ni-dinone þo ðúma sud: 「私はあなたの発言を否定しない。」




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